修繕A to Z


Contents

01 屋根:セメント瓦の保全

02 屋根『カバー構法』

03 屋根:スレート葺きの保全塗装

04 屋根:鋼板葺きの保全塗装

05 屋根:折板葺の保全塗装

06 屋根:ポリ葺材の貼替え+鉄骨防錆

07 外側階段:シロアリ被害部分の再建

08 鉄骨階段:保全 シート貼・外壁補修・防錆

09 鉄骨階段・通路:溶接補強・通気改良・防錆塗装

10 手摺壁:通気改良工法

11 木床:フローリング再生 

 



 

A to Z -01

屋根:セメント瓦の保全

セメント系の瓦で洋風のものを一般に「モニエル瓦」と呼ぶこともあります。骨材が砂=モルタル、砂利=コンクリートでも、主成分は同じですのでセメント瓦が一般名称です。

経年劣化は主に表層塗膜が剥がれ水分が浸み込みやすくなり、その下層の防水シートや合板を傷め始めます。

そうならないために再び表層の撥水層を形成するのが保全塗装です。

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セメント瓦には様々な形質があり、一概にはできませんが築20年前後を保全の目安に表層塗膜を再生いたします。


 

A to Z -02

屋根『カバー構法』

上↗ スレート葺きで築後30年経過した表層の様子です。

表面の層の土化した端部に苔などが付着しています。スレート自体も脆くなり損壊や亀裂が入りやすくなります。

もしこの年数まで何らかの保全がされていない場合は、葺替えや上2段目↑『カバー構法』が必要になります。

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A to Z -03

屋根:スレート葺き保全塗装

上↗ 高圧洗浄、モップ掛けで表面の劣化塗膜や付着物を除去後、金物や棟板金などの防錆刷毛塗りから始めます。

スレート表層が”白っ茶けた”様子は、表面の撥水塗膜が失われた事を示していますが、保全塗装がギリギリ・セーフの状態と思われます。

2段目↑ 保全塗装後の撥水の様子。

 

Q:長期耐久性を謳う新製品はホントにおすすめですか?

A:塗装材料の耐久性能と費用は相対関係にありますが・・・

 

そのことで(費用は高くなるが)高性能の新製品で施工したほうが長い目でみると”お得!”といった広告を見聞きします。

しかし、その前に考えていただきたいのが、外壁や付帯物の保全時期と耐用年数の足並みを合わせ、一括で工事をやるほうが得になる、という点です。足場架設など費用がかさむものが一度で済むので削減は「大」だからです。

また、もっと大切な点は、現場で働く人の質の問題です。修繕や保全工事は新築と違いほとんど人に依存します。それこそ”手づくり”の現場ですから、繊細で丁寧な仕事ぶりが真の”長い目でみたお得”なのです。

金額の安さで較べたい気持ちも分かりますが、業者選びは人(職人さん)をキーワードに慎重に!ということでしょう

費用対効果、いわゆるコスパですが、出回っている(新製品ではない)製品は量産効果による低価格に加え品質も安定しています。

単に<新製品=長期耐久性に優れている=費用対効果>というわけではない点もご参考に。

 

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A to Z -04

屋根:鋼板葺き保全塗装

鋼板葺材は(上↗)曲げ加工した部分に雨水滞留が起きやすく、元々加工時の物理負荷もあり、錆が起きやすい場所です。

写真のケースは横葺きですが、別の「瓦棒葺き」も含め、勾配が緩い屋根ほどその度合いは高くなります。

ただ、余程の事がない限り、部分貼替えや塗装により保全することが可能なのも鋼板葺きのメリットです。

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A to Z -05

屋根:折板葺保全塗装

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A to Z -06

屋根:ポリ葺材の貼替え+鉄骨防錆

葺材のポリカーボネート(ポリカ)は、軽量、透光、耐久性、安価など申し分ないパネル材ですが、葺材用途では10年以上経過で徐々に脆くなります。ご覧のケースは本体屋根から滑り落ちた落葉ゴミも付着し醜い状態です。

また、鉄骨のプツプツ状の錆は、階段や通路などの露出鉄骨に起きる結露起因のもので、ポリカ解体時にタイミングを合わせた防錆塗装が大切です。

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A to Z -07

外側階段:シロアリ被害部分の再建

建物本体は新築時に防蟻材使用や薬剤塗布により、滅多に被害(経年で有効性は徐々に減衰しますが)はありませんが、階段や通路などの構築物には建物本体並みの対策がなされていない場合があります。下記の2例は、いずれも建物本体ではありませんので条件的には良くない個所です。

発見と修繕は早期に! 建物本体に及ばないよう早目の対処につとめましょう。

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  全体のリフォームはビフォーアフター・B-10でも詳しく。


 

A to Z -08

鉄骨階段:保全 シート貼・外壁補修・防錆

鉄材は強度はもちろん、コスト、加工性の面から集合住宅ではほとんどの階段に使われています。問題は鉄は錆びるという弱点があり、酸素(O₂)に触れると腐食(酸化鉄Fe₂O₃)し始めます。それを防ぐ、つまり空気や水分に接触させない方法として、塗装やメッキやシート貼り、コンクリート内に閉じ込める(鉄筋のこと)などがあり、そういった保全対策はコトが起きる前が大切です。

下の2件は、保全すべきタイミングから多少遅れた事例で、錆やシート剥離も目立っています。もちろん、遅れるにしたがい錆落としや部材交換といった修繕コストが積み上がってしまいます。

↑→現況。

保全タイミングが遅れ既に錆が散在し階段踏板シートも所々剥がれ始めています。

←↑足場架けなしの限定工事です。塗装カラーはじめ”原状回復”範囲の完工です。


RC棟:階段の保全 画像をクリックすると⊕拡大してご覧になれます。

RC棟:それぞれのビフォーアフター

踊り場と踏面

ボルト接続部分

段裏・上裏

シート端のシール

水槽の鉄骨土台


 

ALC棟:鉄骨階段とALC外壁の亀裂補修

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 ALC棟:階段周り防錆・防滑シート貼替え

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  ALC棟:通路外壁・天井塗装・床シート貼替え

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A to Z -09

鉄骨階段・通路:溶接補強・通気改良・防錆塗装

 

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A to Z -10

手摺壁:通気改良工法

 

一般の住宅やアパートでは、「通気工法」という外壁と室内の間に空気の通り道を設け、湿気を含んだ空気を換気する仕組みを採用しています。もし通気がなければ溜まった湿気は結露や水滴になり、カビが発生したり冬期の場合は凍結し、外壁などの部材を傷めるようになります。水分が凍ると体積が膨らんで破壊してしまう現象です。

 

通常の建物の通気口は、基礎の上部と外壁の間と、軒天周りに見る事ができます。しかし、外部階段での手摺壁の通気は充分ではなく、また構造材が鉄骨では<熱伝導性が高い=結露が起きやすい>不都合な状態に置かれています。

 

左は、通気不足で起きる腐食や損壊を抑えるための改良で、仕組みを図にしたものです。

建物本体のように、下部と上部に通気口を設け、壁内をいわゆる風通しの良い環境に変え、せっかく修復したところが再発しないよう工夫しています。

元に戻すことも大事ですが、

さらに大事な、再発を抑える工夫の一端です。

軽量鉄骨造りのアパート。通路手摺壁の腐食やカビの再発を抑えます。

画像クリックで⊕拡大してご覧ください。また ビフォーアフター・D-23 で全体リフォームもご覧いただけます。

鉄骨構造階段のアパート。階段周りの結露や凍害の再発を抑えます。

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A to Z -11

木床:フローリング再生

 

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